自閉症は狂人でも怖い人でもない。

私の弟は小さい頃に自閉症の診断を受けました。

現在では発達障害は診断基準の変更により自閉症スペクトラム障害と呼ばれていますが、

弟は昔の基準でいうところの「高機能自閉症」でした。

IQや頭の良さは正常でしたが、こだわりが強く、共感性に乏しいところはあります。

 

弟は養護学校に通っていました。

詳しくは知らないのですが、当時の普通学級では適応するのが難しいからだと思います。

私は自分の愛する唯一の弟と一緒にずっと遊んでいて、

小さいときからあまり違和感は感じませんでした。

ずっと一緒にいたおかげか、近所の同年代の友達もいましたし、

同年代の友達との衝突もあまりなかったと記憶しています。

 

ただ、一度だけ今になって振り返ってみると、こだわりの強さがあることがわかりました。

それは、小学校低学年の時で、夏休み期間中の出来事でした。

私と弟は、母の躾により、普段の食事であれ、おやつであれ、

必ず親に「いただきます」と言って親の承認を得てから食べるようにしていました。

しかし、一日だけ母親が出かけるときがありました。

母は私に、「冷蔵庫にアイスがあるから食べとき」と言われていました。

 

ちょうど15時のおやつの時間に、弟にアイスのことを言って一緒に食べようとしました。

アイスの蓋をとり、私はいただきますと言って食べたのですが、

弟は玄関の方に走って行ってアイスを手にもちながら、

何度も何度も「いただきます」と玄関の外に向かって叫んでいました。

 

さきほど記述したように、私たちは食事をするときには

「必ずいただきます」と言って母親の確認を取っていました。

弟は、母がいないため、ずっと玄関で泣きながら「いただきます」と叫び続けていました。

おそらく、母からの反応(承認)がないため、

自閉症のこだわりの強さからアイスを口にすることができなかったのだろう

と今になっては思います。

 

このようなことは今になって少し変わっているなと思います。

しかし、実際に養護学校で私がいない間でも仲良しのお友達はいました。

弟経由でその友達と私が仲良くなったくらいです。

確かに変わっているところはあるかもしれませんが、

別段周りがそれなりに配慮すれば弟は自立できました。

 

現在は、家から独立して一人生活を送りながら仕事をしています。

就職面接でも、仕事に就いた後でも上司には別段自閉症の報告はしていないとのことです。

それでも、仕事をちゃんとして社会に上手く適用できるようになりました。

 

ただし、気になるのが、ある時弟と話しているときにふと弟が言った言葉です。

「俺は、他人のことなんて全く気にしていない」と。

この言葉をどうとらえるかは難しいですが、少しだけ自閉症らしい部分があるとは思います。

 

それでも、私は別に気にしていませんし、ずっと弟のことを愛しています。

たとえ弟が私のことを全く気にしていなくても、

私から弟のことが消えたことは一日たりともありません。

心配はしていますが、あまり他人との摩擦もないみたいですので

口を出す方が野暮というものでしょう。

 

自閉症の世間への偏見はとても厳しいものです。

まるで異星人を見ているかのような視線にさらされます。

しかし、実際接してみるとわかりますが、意外と普通です。

自閉症と言われない限りわからないくらいの方が多いです。

なので、自閉症は狂人でも怖い人でもありません。

一人の人間であり、彼らなりに自分の心を持っています。

 

いわゆる健常者と呼ばれる方と確かに異なる点はあるかと思いますが、

偏見で人を判断するのは失礼ではないでしょうか。

自閉症の診断も現場ではとても難しいと言われております。

それくらい身近なものなのです。

医者でも診断に差が出るくらいです。

「発達障害」と言うレッテルこそが発達障害の人を生きにくくしているように思われます。


アスペルガーADHD発達障害改善マニュアル




広汎性発達障害 関連記事


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメント

お名前 *

ウェブサイトURL