特別支援学級の在り方とは

小学校の特別支援学級で勤務をしていた者です。

関わった児童は、自閉症、ADHD、LD、病弱児、肢体不自由児、ダウン症など様々です。

 

特別支援学級は、特別支援学校とは違い、通常の公立小学校の中に併設された機関であり、

通常級と支援級の関わりも多く健常児との比較がされやすいこともあり、

その在り方に多くの問題がありました。

 

特に私が勤務していた支援学級は、軽度の子から重度の子まで障害の程度が幅広くありました。

軽度の児童の中には、「なぜこの子は通常級じゃないのか」と疑問を投げかけられたり、

「通常級に入れることは難しいのか」と保護者から問われる児童も多くいました。

重度の児童の中には、「この子は支援学校に入れるべき」と言われ、

保護者とともに肩身の狭い思いをする児童もいました。

しかし私は、そんな子供たちだからこそ、「支援学級」に入れるべきなのだと思います。

 

いわゆるグレーゾーンに属し、手帳はもらえないけれど

健常児に混ざって生活することが難しいという児童は、年々増えています。

そのような生活は、保護者以上に子供自身がなにより辛く感じているのではないでしょうか。

 

皆が当たり前に受けているテストで、思うように点数が取れない。

皆が合格する試験に、自分だけが不合格になってしまった。

友達の気持ちがわからず、いつも口論になってしまい、友達との良好な関係が築けない。

そういった気持ちを抱いたまま6年間も同じ環境で生活するのは、途方もなく辛く悲しいことです。

 

また、私が関わった児童の中には、本人はグレーゾーンだが、

保護者のネグレクトにより生活習慣が乱れ、適切な学習環境を築けないという児童もいました。

こうした児童、そして保護者を含めて受け入れ、寄り添うことができるのが、

「支援学級」という場所なのだと考えます。

 

通常級では、40人前後の児童をたった一人の教師が平等に教育することが義務付けられています。

しかし発達障害の子供は、40分の1の力で受けた教育で力を発揮することは難しいでしょう。

だからこそ、少人数で、より細やかな配慮が望める「支援学級」に所属することは、

間違いなく児童にとって安心できる空間であると思います。

 

漢字がたくさん書ける、計算がたくさん解ける、

そういったことももちろん小学校教育においては必要なことですが、

それ以上に「学校が楽しい」「学校にいると安心できる」と感じる環境を作ってあげること。

それが私がいつも目指していることでした。

 

重度の障害をもつ児童も、同じです。

発語がほとんどない重度自閉症児や、身辺自立が難しい肢体不自由児、

こだわりが強いダウン症児などは、「支援学校」に所属するべきと考えるのが普通かもしれません。

けれど、あらゆる権利が制限されてしまう中で、「支援学級」までもが彼らを拒否してしまったら、

一体どこに彼らの自由はあるのでしょうか。

 

年齢を重ねれば重ねるほど選択できなくなっていく人生において、

小学校という義務教育においては、健常児と同じ学校を卒業させてあげたい。

そう保護者が願うことに、なんの罪もありません。

もちろん、障害の程度や特性によっては支援学校に所属する方が

適切な学習を受けることができるのは間違いないですが、

保護者が願い、児童が「この学級が楽しい」と感じてくれる以上は、

「支援学級」という枠こそが救いになることができると信じています。

 

近年は、「支援学級」に所属することがそれほど珍しくなくなったものの、

まだまだ差別の目が消えることはありません。

けれど、「通常級」や「支援学校」で辛い思いをする学校生活になんの意味があるのでしょう。

 

「通常級」と「支援学校」という両極端の選択肢を大きな幅でカバーしてくれる「支援学級」は、

発達障害児の未来を明るくしてくれると思います。

子供たちが「楽しい」と感じられる教育がそこにあり、

保護者も教員も等しく子供たちを守り育てる環境が根付いていくことを願っています。


アスペルガーADHD発達障害改善マニュアル




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