発達障害の子どもたちと出会って

私の弟は、知的障害と自閉症を併せ持つ障がいのある子でした。

残念ながら、障がいとは全く関係のないところで病気にかかってしまい、

11歳という幼さで天国へと旅立ってしまいましたが、

彼と過ごした11年間は、とても濃く、現在の私の糧となるものでした。

 

私は弟の影響もあり、障がいのある子どもたちとかかわる仕事に就いています。

今年で4年目になりますが、昨年までは幼児期の子どもたち、

今年からは学齢期の子どもたちとかかわり、日々の生活や学習の支援をおこなっています。

 

「知的障害」「ダウン症」「ADHD」「自閉症」「LD」

「選択性緘黙」「広汎性発達障害」「自閉症スペクトラム障害」

…4年間で私が出会ってきた子どもたちについた障がい名は様々でしたが、

それでも先ほど述べた程度の種類には限られていました。

 

中でも多かったのが「広汎性発達障害」「自閉症スペクトラム障害」といった広義のものでした。

よく聞くけど、それって何?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

最近よく使われる「自閉症スペクトラム障害」を簡単に定義すると、

「自閉症とその周辺の発達障害」とされます。

簡単なようで難しい定義ですね。

「その周辺」とは何か?そういった細かいところまで突き詰めていくと、医学的な分野に突入してしまいます。

今回は医学的なことが語りたいのではないので省きますが、調べれば様々な情報が出てくることかと思います。

 

個人的に、「広汎性発達障害」や「自閉症スペクトラム障害」をどのように捉えているかお話しすると、

障がいのない子に対して、社会性や人間関係、自己コントロールや体の運動機能など、

何か幼さを感じる子、という捉えをしています。

どうも周囲になじめなかったり、なかなかついていけなかったり。

友達と遊べず1人でいたり、落ち着かず動き回っていたり…。

あらわれる状態は様々ですが、そういった大人が見た「違和感」は、

子どもたちの「困り感」でもあると思っています。

 

特に幼児期の子どもは「困っている」ことを大人に伝えられないだけで、

実は結構困っているのではないかと思うのです。

「よく動いて友達に手を出すし、先生が対応に困る子」は、支援の対象としてよく取り上げられるのですが、

「大人しい、先生の手を煩わせない子」は見落とされがちです。

よく見ると活動についていけていなかったり、友達が作れず1人で遊んでいたり…といったこともよくあります。

 

「まだ小さいからわからない」ということはありません。

3歳の頃には、既にそういった「困り感」をもっている子どもたちがいるのです。

そういった子どもたちに適切な支援を行うために、各自治体には様々な支援機関が存在します。

 

最近では、各市町村でそのようなサポートが受けられることが増えてきました。

1歳半、3歳と健診を受けることで、「ことばの遅れ」などの指摘をしてくれる自治体も増えてきています。

4年間、そのような子どもたちやお母さんたちと出会ってきて感じることは、

そういった自治体や保育所・保育園・幼稚園からの指摘を、できるだけ受け止め、

子どもと向き合ってきたお母さんであれば、適切な支援を受ける中で子どもの様子を知り、

就学先への悩みも相談することができ、安心して学校へと進んでいくことができます。

 

しかし、「大丈夫、まだ大丈夫」と先延ばしにしてしまえばしまう程、

心配や悩みの種は大きくなり、就学直前になって相談しても間に合わず、後悔した…

というお母さんが少なくないのです。

口をそろえて「もっと早く相談すればよかった」と仰られます。

 

ですが、それは相談しなかったお母さんが悪いと言っているのではありません。

お母さんが「大丈夫」と思う背景には、子どもにかかわってきた保健師さんや

保育所・保育園・幼稚園の先生方の対応もあります。

支援を受けることを勧めるとき、それは、決して気持ちの良いものではありません。

「あなたのお子さんは遅れがありますから、支援を受けてください」とストレートに言われてしまっては、

お母さんも突然のことで困ってしまいます。当たり前です。

かわいいかわいいお子さんに対してそんな言われ方をしては、不信感が募るだけでしょう。

 

かといって、「大丈夫ですよ、他の子と変わりません、やれています」と通っている園の先生に言われたら、

お母さんも「大丈夫」だと思いますよね。

1日のほとんどを過ごしている園の先生が言うのだから、間違いない、と。これも当然だと思います。

しかし問題は、子どもの困り感を、お母さんが困らないようにと指摘する側が隠してしまうことなのです。

お母さんも違和感を感じていたり、困っていたりするかもしれないのに、

隠されて「大丈夫」と言われてしまっては、お母さんも「そうか、大丈夫なんだ」と思い込んでしまうでしょう。

結果、就学の際の健診等で指摘されて、困ってしまった、ということになりかねないのです。

 

指摘する側が気をつけるべきことは、お母さんへの親身な声の掛け方だと思います。

単純に遅れていることやできないことを指摘するのではなく、

日常生活の中で、お母さんが困っていることはないか確かめたり、

園の様子をお母さんから聞き取ったりしながら、支援機関を勧めていくのが適切でしょう。

また、その時はお母さんが困っていなくても、その子に対して継続的なケアができるよう、

様子を見守り続けられる工夫も大切です。

 

そして、その指摘を受ける側であるお母さんたち。

最初は、指摘されると信じ難く、支援機関の利用を躊躇うことも多いと思います。

それでいいのです。かわいいお子さんのことは、お母さんが一番知っています。

そんなかわいいお子さんの「困った」に出会ったとき、

そんなお子さんとのかかわりにお母さんが「困った」を感じたとき、

いつでも、近くの支援機関・相談機関に相談してみてください。

きっとお子さんのことを一緒に考えてくれる支援者に出会うことができると思います。

1か所で納得いかなければ、何か所でも相談してください。

 

今回お話したことは、私が出会ってきた子どもたちとお母さんたち、そして私が住んでいる地域のお話です。

それぞれの地域にはそれぞれの特徴があるので、一概には言えませんが、

何よりも、最近増えてきている発達障害の子どもたちにとって、

この社会が生きやすい場であることを願っています。


アスペルガーADHD発達障害改善マニュアル




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