母の自問自答。

私のひとり息子は今、医療保護入院をしています。

去年の夏に調子が悪くなってからですから、1年以上入院していることになります。

私は1日おきに、息子にリクエストされた飲み物とお菓子を持って面会に行きます。

病院の生活に慣れて、快適に過ごしているようです。

 

「ゆうべ、気分が悪くなって、寝る前の薬を看護師さんに早くもらっちゃった。

でもちゃんと眠れたよ」と笑う息子は、24歳です。

親としては、これで良いのかと自問自答しますが、

本人は精神的に安定していることに満足しているようです。

 

「広汎性発達障害」…それが、息子が小学校(当時は特殊学級)に入学する際に

私が教育委員会に通い、手続きをする中で書類に書かれた息子の障害名でした。

今は、自閉症スペクトラムと言うのでしょうか。

 

育児書の通りには子どもは育たないものですが、

彼は生まれてから首のすわり、はいはい、歩行、言葉…

全ての発達が遅れていました。

 

市の健診で発達の遅れを指摘され、県の障害児専門病院の診察を受けましたが

「自閉症」とは言われず、

幼稚園に年少から入れて集団の中で発達を促すように助言されました。

 

難産(吸引分娩)だった影響があるのかと思うのと、

「男の子は奥手で言葉が遅いもの」という世間の先入観を信じ

幼稚園時代は障害を深刻に考えてはいませんでした。

 

幼稚園の先生方のフォローのおかげで3年間、お世話になりました。

オムツが取れ、言葉が増え、新聞の天気図が大好きで、

お遊戯会は年少さんの時はポカンと立ってるだけでしたが、

2年目に突然上手に踊り出し、ステージから落ちそうになりました。

長い人生の中で、少しくらい発達が遅れても大したことない…そう思いました。

必ず到達するんだと。

 

小学校に入学する段になって、息子の発達障害と真剣に向き合い、

学区外の小学校の特殊学級で学ぶことになりました。

通学は私や家族が車で6年間送迎しました。

 

息子は情緒障害学級に入り、しっかりした先生方のおかげで集団生活や勉強をすることができました。

2年生で九九をおぼえられた時は、本当に安心しました。

ただ、どうしても社会的なスキルが遅れている?という漠然とした不安がありました。

 

他のお子さんで養護学校の小学部に途中から移る人がいる中、

息子は6年間をその小学校で過ごしました。

特殊学級の中にいるだけでなく、教科によっては普通学級に混じって運動・勉強しました。

多少のトラブルはありましたが、息子を仲間に入れて遊んでくれた皆さんに感謝しています。

 

息子に転機が訪れます。

中学校の特殊学級でなく、養護学校中学部(今は特別支援学校)に進むという選択…

そこで、所謂「個性的な息子」のケアを手厚くしてもらい、高等部まで過ごしたいと。

2人で見学に行き、決めました。

息子は初めて、「色々な障害を持つ仲間」だけがいる学校に入りました。

 

スクールバスで通う養護学校の6年間、

冬は毎年スキーをし、好きな漢字検定は準2級に合格しました。

また、障害枠でも就職を目指して作業学習を頑張りました。

実際にスーパーのバックヤードに実習にも行きました。

 

そして卒業…

一般就労を目指していましたが、最初にお世話になった会社では合わずに

試用期間の3ヶ月で終わってしまい、就労支援B型の事業所に移りました。

そこではパンの移動販売車に乗せられて色々なところに行き、

電卓片手に売りまくって活躍することができました。

…1年くらいは。

 

成人してから、どうも気分が高揚したりして収拾がつかなくなることがありました。

他の利用者さんに悪影響を与えるからと休まされ、就労支援から生活介護に移り、

そこでもうまくいかずに休んで家にいるようになりました。

 

落ち着かせる為に通院して精神的な薬を服用するようになりましたが、

息子が薬に依存してしまい…去年、主治医と相談して医療保護入院させることにしました。

私は毒親なんだと落ち込んだものです。

 

入院中、外出したり正月に家に泊まったりしたものの、やはり落ち着かなくなり、

今は病院から出たくないと言います。

1日おきの面会は楽しみにしているようで…それが救いです。

個室から移った4人部屋で快適に過ごしているようです。

今年の暑い夏は、冷房が効いた病院内にいる方が良いのかもしれません。

 

カラオケが上手で、記憶力が良くて、素直だった息子。

どう育てれば良かったのかと自問自答しながら、病院へと運転する私です。


アスペルガーADHD発達障害改善マニュアル




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