『子どもはほめて育てましょう』。
よく聞く子育てのハウツーです。
とりわけ、発達障害のある子どもは、大声でパニックを引き起こしてしまったり
委縮しておびえてしまったりしてしまうので、無闇に叱ることは避けるべきと言われています。
例えば、子どもがお茶をこぼしてしまったとき、
こぼしたことを叱るより、ちゃんと拭けたことをほめる方が伸びる…
なんてことは、親であればみんなわかっているんです!!
でも、それがなかなかできないんですよね。
ましてや、出かける前の忙しい時間にこぼされてしまったりしたら、
思わず「何やっているの!!」と口をついて出てしまいます。
発達障害児を育てていると、『イライラしない』『叱らない』なんてことは神業に思えます。
こちらが言っていることがなかなか伝わらなかったり、親にも理解できない独自のこだわりを突き通したり。
そしてつい怒鳴ってしまい、毎晩くよくよ反省する…というお父さんお母さんも多いのではないでしょうか。
でも、安心してください!
私の周りの発達障害児ママ仲間で、子どもを叱ったことがない人なんていません。
もちろん、それぞれの性格によって程度に差はありますが、
みんなイライラと戦いながら子育てと療育に励んでいるのです。
だって、親なのだから「こんな子になってほしい」「こうあってほしい」と子供に期待するのは当たり前のこと。
その思いが強すぎて叱ってしまうのは仕方がないことだと思うんです。
私の息子は重い自閉症スペクトラム障害で、ひどい多動障害もあります。
「あとでね」が上手く伝わずかんしゃくを起こしてしまったり、
迷惑を顧みず足を踏み鳴らして走り回ってしまったり、
なんてことは日常茶飯事で、ついつい声を荒げてしまいます。
私も以前は他のママがマリア様のように見え、自分はなんて不出来な親なんだろうと自己嫌悪に陥っていました。
でも今は、イライラして厳しく叱ってしまっても、
『親なんだから叱るのは当たり前!叱った分だけたくさんほめよう!!』
と気持ちを切り替えるようにしています。
おかげで、少しほめ上手になった気がします。
ほめるネタって、ほめよう、ほめよう、と思っていると、叱るネタよりずっとたくさん見つかりますよね。
「いつもと同じようにできたね」とか、「さっき注意したことを守れているね」とか、
子どもは普通にしているだけでも、ほめようと思えばほめられるものです。
たくさんほめれば叱っておびえさせたことが帳消しになるとは思いませんが、
これだけほめるネタを見つけるのが上手になったのは、
叱りすぎた自分を反省して悩んだおかげかなと思います。
気持ちを切り替えることって、とても大切なことですよね。