良いところをひたすら伸ばす

発達障害というと、その「障害」という文言から、マイナスな部分に目を向けがちです。

しかし、これは、本人にとっても、また、周囲の家族や、会社であれば、同僚にとって、

実は大変にもったいないことです。

彼ら彼女たちに共通する特質すべき傾向に、

抜きんでた能力を持っているということが挙げられるからです。

 

例えば、記憶力が良い、集中力が高い、文章力が高い、

物怖じをしない度胸を備えている、物腰が柔らかく嫌われることが少ない、

など、極めて高い独自の能力を持っているのが、発達障害を抱える人々です。

 

日本は発達障害についての知識や情報が不十分であり、

また、本人を支援する社会資源の準備が大幅に遅れているため、

まず、親が気づいてあげられない、という大きな傾向があるのが現実です。

親自身が、気づくために十分な情報と教育に触れる機会が無いからです。

そのため、先に挙げた、本来、ピンポイントで伸ばしてゆければ、

生きていく力を十二分に備えているはずの本人に対して、マイナスのイメージで捉えてしまうこととなります。

つまり、先の長所を短所に変えて上から見てゆきますと、

過去にこだわる自分の殻に閉じこもる言葉でのコミュニケーション能力が未熟だ

空気が読めない優柔不断で存在感が薄いとなってしまいます。

 

さて、発達障害という名前は、おそらく、これらの本来の能力の高さから、

日本での呼称が近々変更されることが予測されます。

大きくは、かつての「後進国」が「開発途上国」に変えられたように、

また、発達障害と同じ分野では、「精神分裂症」が「統合失調症」に変えられたように。

 

この呼称の転換は、未来を切り開くために非常に有意義です。

マイナス面でなく、ひたすらにプラスの面に目を向けて、

その能力を引き出すことに注力することの意義は、人々が思う以上に大きいものです。

 

次に、視点を変えて話を進めます。

発達障害を抱えている本人は実に様々な生きづらさの中に、日々を暮らしています。

例えば、ある人は「水が刺すように冷たいので、お皿が洗えない」と言います。

また、ある人は、「シリコン製の容器がぐにゃぐにゃとしていて、触ると気持ちが悪い」と言います。

健常者と言われる人々にとって、「おや?」と感じる、彼ら彼女たちのこういった発言が、

実は非常に重要なアピールなのです。

つまり、他のことは普通にできているように見えても、

そこに発達障害に気づくことのできるチャンスがうかがえるからです。

見逃してはなりませんし、ましてや、「そんなことを言って、また、怠けようとしている!」と、

責めることは避けたい対応です。

 

情報が足りない日本に住んでいることをまず自覚し、

発達障害という宝をうちに秘めながらも、日々の生きづらさの中で、

今にも人生の重さに埋没しそうな人々を本当に救えるのは、今の時点では、周囲の人々です。

これから発達障害への正しい理解が進み、その過程で、「障害」という文言が消え、別の文言に変わっていく。

それまでの道のりを、積極的に発達障害を抱える人々と直に交わりつつ眺めていくことは、

人生の素晴らしい使い方です。


アスペルガーADHD発達障害改善マニュアル




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