自閉症では、いつもと状況が変わったり、
あるべきものがなくなったりするとパニックを起こしてしまうことがあります。
私の場合の体験をお話しします。
2年前、母と二人で会社の有給休暇の計画的付与を利用し、
初めてセントレアから飛行機に乗って大手旅行会社の募集型企画旅行で北海道を旅した時のことです。
途中でカメラの電池がなくなり、その上に充電ケーブルも忘れてしまい、
母が声をかけてもしどろもどろになってしまって母に迷惑をかけてしまいました。
結局、その時はレンズ付きフィルムと母のカメラで乗り切りました。
この旅行ではデジカメの充電を忘れたことや、充電器具をもっていかなかったことがミスの原因でした。
旅行の時はいつ、どんなトラブルが起きるかわかりません。
それを発達障害の専門家であるいとこに話したところ、
「こういうトラブルは旅行のつきものだから気にしなくていいよ」と言ってくれました。
このような時は前もってしっかり準備しておくことや
トラブルがあったとき素直に周りに助けを求められるよう意識するのもいいかと思います。
もう一つは職場でのことです。
1・まだ私が今の職場に入って1年ぐらいしかたっていない頃のこと。
タイムカードが下駄箱に入っており、それをかざそうとしたら見つからずにパニックになりかけました。
それを知った同じ課の方が一緒に探してくださり、30分ぐらいして見つかったことがありました。
結局下の段に落ちていました。
2・先日のことです。
はさみをなくしたとき、周りが「落ち着いて」といってくださって一緒に探してくださっているのに、
私は周りのことばも聞かずにはさみを探し続けてしまいました。
結局見つかりましたが、本当のことを正確に思い出せず、
そのうえ一緒に探してくださっている周囲の忠告も聞かないで
はさみを探し続けたことで上司からこっぴどく叱られてしまいました。
職場でパニックを起こしたり、起こしかけたりしたときは、
まず直属の上司またはその下の役職の方に相談してみましょう。
また、こういう事態に備えて普段から職場で業務指導・相談担当者を決めておきましょう。
自閉症の方の外界のとらえ方は、ペットボトルの底から先を見るようなものだといわれています。
そのために視野が一点に固定され、周りの言葉や行いが目に入らない。
それがつらいです。
パニックを起こした時・または起きそうになったときはその場を立ち去り、
トイレや医務室・保健室など暗く静かな場所に逃げ、
深呼吸をしたり水を一口飲んだりするなどして落ち着きましょう。
そして、なぜパニックになったのか一度冷静に原因を考えてみましょう。