私は高校の教師をしている。
実際に授業を行なっていると、発達障害かな?と思われる生徒に何人も遭遇する。
もちろん、医者の診断を受け、薬を服用している子もいれば、
明らかに発達障害(ADHD等)と見られるが、親にはなかなか言い難い生徒もいる。
授業の実体験としては、
周りを気にせず喋る・提出物が一切でない・教えたことが次の日に忘れてしまう、
等症状も様々であり、正直苦しい時もある。
しかし、あの子は発達障害だから・・・という見方は決してしない。
自分が得意とする分野をいかに育ててあげられるか、が私たちの仕事である。
例えば何日までに提出ね!と口頭で言うのではなく、
黒板にしっかりと書き、提出課題にも( 月 日 曜 時までに提出)といったわざと空白にし、
時間も書き記してあげる。
障害を持った生徒に対する手段であるが、もちろんクラス全体にも効果的である。
目立たせることなく、優しく見守れるか。
その子の為にどのようにすれば良いか。
常に担任はもちろん、他の授業担当者とも意見交換をしながら、
また中学校時代の情報を意識している。
やる気にさせること・興味を持たせることが特に苦労する。
検定試験は結果が全てであり、落ちてしまうとやる気を失ってしまう。
普通の子が取れるような資格でも、粘り強く補習を繰り返すことで、
その子の合格につながると同時に、進路にもつながる。
自分自身が勝ち取った資格、苦労して取れた資格というものは忘れないものである、
と生徒に聞いたことがある。
教える側が諦めると負の連鎖になり、その子の為にならない。
また中学時代にいじめを受け、不登校になったものの、高校には進学した、という生徒もいる。
その子の話を聞く限り、対人関係で相手の意見を汲み取ることができず、
食い違いにより周りから疎外を受けたと聞いた。
発達障害の中には勉強はできても対人関係が上手くいかないという子もいる。
一言で言えば周りの空気が読めず、自分勝手に物事を進めたり話したりする。
学校は集団であり、集団行動を共に過ごせなければ、社会に出た時の対応に困る。
人と人とが生きるこの社会で必要不可欠な
コミュニケーション能力を身に付けさせることが第一だと私は考えている。
この子は発達障害だからと大人が色眼鏡で見てしまえば、その子の将来の芽を摘むことになる。
この仕事だから言えることは、まずはお子さんのことをしっかりと理解してほしい。
勉強ができない、人との関わりが上手くない、よく忘れ物をして怒られている・・・
など症状は人様々であるが、親としっかり家庭で会話できている子は、症状も和らいでいく傾向にある。
学校と保護者の方が密に連携を取ることが欠けていると感じる。
何があれば学校が悪い、先生が悪い、という方が増えている。
子供の目線に立つことも必要であるが、何かあれば学校に相談をしてほしいと常日頃から思っている。
家庭では見られないその子のずば抜けた一面が必ずあると思うし、周りは見ている。