ADHDの多動-衝動性・不注意はどうして起こる?

ADHDは、不注意と多動-衝動性を持つ障害です。

しかし、ADHDの症状にはまだ様々な謎が残っています。

 

例えば、ADHDの方には、過集中と呼ばれる現象があり、

集中できる場面もあり、むしろ集中し過ぎていると感じられる場面すらあります。

 

このように、実はADHDの症状は、完全には分かっていません。

ADHDの症状を説明するために、様々なモデルが存在します。

今回は、Triple pathway modelというものについて紹介します。

Triple pathway modelは、アメリカのADHD研究の権威のSonuga-Barkeが考えたADHDの障害モデルです。

 

彼のグループは、ADHDに様々な認知検査を行い、

その結果を因子分析と呼ばれる心理学の手法によって、グループ分けを行いました。

その結果、ADHDの認知的機能障害には、3つタイプがあることが分かりました。

 

その3つとは、

報酬が遅延することを嫌う、

抑制制御の問題、

時間間隔の問題の3つです。

 

彼らは、この3つの認知機能障害のバランスによって

ADHDの症状をほぼ説明できると主張しています。

 

まず、報酬が遅延することを嫌うという障害についてです。

人間の脳には報酬系と呼ばれる回路が存在しており、

何らかの快の感情を感じるとその行動を繰り返そうとします。

ADHDでは、この報酬がもらえるという予測がたった場合に、

その報酬がもらえるタイミングが遅くなることを嫌います。

 

例えば、「100万円をあげよう。今、銀行に預ければ1年で利子が10%つく。どうしますか?」

と言われたとします。

多くの方は、この利子だと1年我慢して銀行に預けようとするでしょう。

しかし、この報酬系に問題があると、この100万円を使いたくてたまらない要求に負けてしまうのです。

 

この報酬系の問題は、過集中という現象を説明することができます。

ADHDは、報酬がすぐにもらえる活動には集中できるのです。

そのため、興味がない活動にはすぐ飽きてしまい、

興味がある活動はずっと続けることができます。

 

実は、この障害が多動-衝動性を形作っているのです。

多動とは、このような興味がある活動をたえず求め続けるために起こっている行動であり、

衝動性とは興味がある活動を待つことができないために生じます。

 

2つめの抑制制御の問題とは、自分の行動にブレーキをかける機能が上手く働かないために起こります。

例えば、もぐらたたきゲームをしている場面で、もぐらが2種類出てくるとします。

「◯」の札を持っているもぐらは叩き、

「×」の札を持っているもぐらは叩いてはいけないというルールがあります。

 

通常、人間はもぐらを見つけると、叩こうという行動をとりはじめます。

実際に体が動かなくても、頭のなかがいつでもたたけるようにと準備状態を作ります。

しかし、もぐらの札が「×」であることを確認すると、

脳が「まった!叩くな」とブレーキをかけるのです。

そうすると、脳は直ちに体の動きを止めるように指令を出します。

 

ADHDの方は、このブレーキが上手く働かないのです。

この状態があると、集中しているのに、隣で音がすると、

脳が体にブレーキをかけることができずに反応してしまいます。

これが、不注意という現象なのです。

 

3つめは時間間隔の問題です。

これは、Triple Pathway modelによってはじめて指摘されたADHDの症状です。

Sounga-Barkeによれば、この症状は時間を等間隔に刻むことの障害だそうです。


アスペルガーADHD発達障害改善マニュアル




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