引き出しが一つしかなく増やせなくったって大きくすればいい

私は、塾で小学生から中学生までの子供達に英語を教えている傍ら、

家庭教師でも中学生に英語(受験英語)を教えております。

その中で、一際手の掛かる男の子がいます。

その子が小学4年生の時から教えており、出会ってからもう6年目になります。

 

その子は、いわゆる極々軽度の学習障害児(LD)で、

教えた事をその時だけは覚えていて、

短時間の間で一つの事(この場合は英文法)だけはなんとか出来るのですが、

次の英文法に進めると以前覚えた文法をまるっきり忘れてしまうという、

頭の中の「記憶」という「引き出し」が一つしかない子です。

 

塾に来た小学生の当時は、机に座ったら指示をしなければ座ったままで、

一つの動作の次にする動作を想像する事すら出来ない子でした。

 

多動性の行動はなかったので、指示を与えればちゃんとする子なんで、

そういう面では手は掛かりませんでしたが、

学年が上がるに従って学校の授業に付いていけなくなり、

その子自身がが英語だけには興味があった事と、

お母さんからのたってのお願いで家庭教師として個人的に教える事になりました。

 

個人的に一対一で教えるようになり、今まで気づかなかったところが見えてきました。

長文読解で音読をさせていたら、簡単な単語につまづいたりします。

理由を尋ねると、文字が動いて見える事があると言い出します。

そういえば、dとbを間違って書いていて、答えが分かっているにも拘らず×になる事が度々ありました。

 

注意不足のポカリミスだとばかり思って叱ったりしたこともありましたが、

いわゆる「鏡文字」というLDの子特有の物だと分かりました。

このことがきっかけで、私はLDについて少し調べるようになりました。

 

その子を叱ってはいけない事も知りました。

しかし、その子の高校受験も掛かってきております。

親御さんの期待値が高い事になによりも驚きました。

その都度の考査の点数が予測よりも低かった時の落胆が当の本人よりも強く、

その顔色を見て本人がショックを受ける場面もあり、胸が痛くなりました。

 

それでも私もその子もあきらめず、他の子の5倍ぐらいは時間はかかりましたが、

なんとか英語だけは60点代をキープ出来るようになり、

内申点がとても良かった子なので(提出物は100%出していた為)、

奇跡的ではありますが公立高校に受かり、この4月から行っております。

 

人の能力や可能性というのは、周りが判断し決めつけてはいけない。

本人の熱意や努力や工夫でいくらでも覆り伸びていくものだと、

その子を通じて学ばせてもらいました。

 

LDの子の「引き出し」は「一つ」しかなくっても、その引き出しを「大きく」することだって出来るんです。


アスペルガーADHD発達障害改善マニュアル




広汎性発達障害 関連記事


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメント

お名前 *

ウェブサイトURL