発達障害の子をもつ親御さんへ

この話は私の子どもではなく、姉夫婦の子どもの話です。

姉夫婦の子どもは2人おり、その2人ともが少なくともADHDの可能性を抱えています。

上の女の子は2016年の4月に小学校4年生、下の男の子が1年生になります。

 

2人とも「何か違うのかもしれない」と気付いたのは何時頃だったかと言いますと、

それは2人ともが0歳児のことでした。

初めはほんの些細なことでした。

1人目の女の子が生まれた時のことです。

よく笑う可愛い子なのですが、どれだけ近付いても、どれだけ声をかけようともこちらを見ないのです。

何かおかしいのかもしれない、そう思いながらも成長を見守っていました。

 

しかし、1歳、2歳になるにつれて如実に現れることとなりました。

最も気掛かりであったのは、後にADHDの特徴の1つにも挙げられますが、

一度物事に注意すると周囲が何を言っても気付かない、ということでした。

他にも多動気味であること、感情の昂りが極端であること、

そういったことが強く表面化してくるようになりました。

 

母世代はおかしいと思いながらも発達障害をあまり知らされていない世代でしたので気にはしていませんでした。

ですが私は乳幼児心理学を学んでいたこともあり一度専門家に診てもらうことを勧めました。

姉はその後直ぐに受診をし、その結果、まだ幼いので断定は出来ないが

ADHDの可能性が高いという診断が下されました。

しかし、初期に発見できたのでこれからの対処の仕方では普通学級での進学は可能だろうとのことでした。

 

その後は姉、両親、私を交えた会議でした。

両親は他の子と変わらぬ育児をしていくべきだ。

姉と私は療育に行きつつ普通学級に行くべく対処をしていくべきだ。

その2つの意見となりました。

 

ADHDは決して悪い病気ではありません。

むしろ、何かしらの才能を秘めていることが多いことを知っています。

彼女がADHDであるならば、彼女が持っている個性や才能を伸ばしてあげたい、

彼女がしたいといったことは極力させてあげたい。

それが家族共通の認識でした。

 

しかし、ADHDである以上、これから大きくなるにつれて彼女は危険にさらされることがあるでしょう。

その時、何もしなかったからと後悔するよりも何かをして危険から彼女を守りたい。

それを両親に伝え、療育に行きながら彼女の成長を全力でバックアップする、といった結論に達しました。

 

ADHDの子を持つ親にとって大事なこと、それは周囲がサポートをすること、

そして同じような境遇の子を持つ親とコミュニケーションをとり、

1人ではないのだと知ることです。

 

旦那が仕事で忙しく、子どもに接するは専ら姉1人でした。

姉は子どもが言葉を発するようになってから半ば育児ノイローゼとなりました。

子どもを大事に思うがあまりに子どもが少しでも危険なことをすると「危ないでしょう」と声を荒らげ、

その後に私に向かって「今日も怒鳴ってしまった」と言い、深く落ち込むのです。

 

そうした頃に、次の男の子が生まれました。

ADHDの子の兄弟姉妹はADHDであることが多い、そのことを知っていたのですが、

案の定、彼もまた少なくともADHDでした。

もっとも、彼は他の可能性も有しているようですが、現段階ではまだわかりません。

 

言葉を発していない子どもができ、姉の愛情は弟の彼に注がれました。

勿論上の女の子が愛されなかったわけではありません。

ただ、やはり彼女に対してはキツくなってしまうようでした。

 

それを見た両親は姉を責めました。

何故もっと優しくしてやれないのか、と。

 

私は姉の懺悔を聞いていたので姉が好き好んで怒鳴っていたわけではないのを知っていました。

姉は上の女の子がやりたいといったことは積極的にさせてあげていました。

家計を圧迫するようであれば子どもを保育園に送った後にパートで働き、

時間がきたら迎えに行き、家事をこなして夜遅くまで子どもの為に手作りで鞄やエプロンを作って……

それを愛情と呼ばずに何と呼べばいいのでしょうか。

 

しかし、怒鳴ってばかりもまた事実です。

同じことを繰り返すから、とは言うものの、

そもそもADHDの子どもにはただ「ダメだ」と言うことは意味がないのです。

きちんと「こうしたら、こうなって、するとこうなって、怪我しちゃうんだよ」と

1から10までを説明する必要があります。

そうしなければ何故怒られているのか子ども自身わからないのです。

 

それを知っていたはずの姉は日々の育児の疲れでそのことを失念していたのです。

私は両親に、週に一度子どもたちを預かって姉に自由な時間をもたせることを提案しました。

また、姉には他の療育のお母様方とコミュニケーションをもっととることを提案しました。

姉は極度の人見知りで、私以外に悩みを言っていなかったそうです。

 

両者ともにこの提案は受け入れられ、悩みを共有し、

アドバイスをし合える関係の友人をもった姉は少し楽になったようでした。

 

そうこうしていると今度は下の男の子が言葉を発する頃合になり、

この頃になるとやんちゃが過ぎるようになりました。

力加減がわからないようで、一度甘えるつもりで背後からタックルをして、

姉の尾てい骨にヒビが入ったことがありました。

大事には至りませんでしたが、非力な上の女の子に比べて男の子はこの力があるのか、

と認識した瞬間でした。

 

そして、母を怪我させてしまった彼は、深く落ち込んでしまったのです。

このことは彼にも傷を残したようでした。

以降、平常時には誰に対しても乱暴なことをしなくなりました。

テンションが上がってしまうとまだ少しやんちゃをしてしまいますが、

それでも誰かを怪我させるようなことはしません。

 

 

ここまではネガティブな内容ですが、決して暗い家庭ではありません。

子どもたちはいつも笑ってわたしたちを笑わせてくれます。

そしてわたしたちも彼らが楽しいようにしています。

 

上の女の子はしたいことがいっぱいあるようで、今は水泳とダンスを。

下の男の子は体験でやってみた和太鼓にハマり、また乗り物と虫が好きなようで図鑑をたくさん読みます。

驚くべきことは、上の女の子は今まで遊んだ日のことを誰とどんな遊びをしたか、

何年何月何日かまでを詳細に覚えています。

今に至る全てを。

 

下の男の子は好きなものに対しての知識が凄まじく、最早周囲には彼の言っていることがわからないほどです。

知能テストの結果によると、小学校入学前にしてすでに中学2年生の頭脳レベルだそうです。

彼らは可能性に満ち満ちています。

姉夫婦も、両親も、私も、彼らがどんな人生を送っていくのかが楽しみでなりません。

 

彼らの前にたくさん道を用意して、選んだ道を進む背中を押すこと、

それが私たちのすべきことだと思っています。

ADHDは決して悲観すべきものではありません。

むしろ与えてくれるものの方が多いのです。

彼らが他の子にない個性をもっているのはその集中力、固定概念にとらわれない豊かな発想によるものです。

彼らがこの先も笑って日々過ごせるよう、これからも見守りたいと思います。


アスペルガーADHD発達障害改善マニュアル




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